エンジニアだから!
ことあるごとに失敗をしては反省をしない社員がいた。彼の決まり文句は「エンジニアだから当たり前。」という言葉らしい。あまりの失敗の頻度に、現場や役員総出で対策を考えたが、いまいち良い策は思いつかなかった。
「どうしたものか。」これが我々の決まり文句になりそうだ。
エンジニアだから?
ある日、営業先からクレームが来た。どうやら例の彼についてのようだった。「毎回失敗するから仕事にならないんだけど」と。そりゃそうだ、彼は失敗をする生き物だから。「例の彼に繋いでくれ!」と言われたので、彼に電話を渡した。
「エンジニアだから当たり前。」といつもの決まり文句が出た。しかし営業先の答えは「エンジニアだから?それで?」だ。彼は言葉を何も返せなくなった。実際、ソレ以上の中身も何も彼には入ってなかった。
次の日、彼は会社から去った。
後日談
会社を去った彼は、今では近所のコンビニで働いているらしい。どうやらまた懲りないようで、そのコンビニでも客から怒られていた。今度の彼は何と言うだろう?
「アルバイトだからわかりません!」そんなフレーズが聞こえてきた。客もカンカンになったのか、「店長を呼んでくれ!今すぐ!」と。どうやら彼は連絡先を知らないのか、もしくはメモを取らなかったらしい。
そして10年が経ったある日、エンジニアとして復帰しようとしてもがいている彼は近所のカフェで勉強をしている。今の彼の決まり文句は「40歳だから分からない!」なんだとか。
言い訳は癖が付くと抜けられない
エンジニアだからコミュニケーションしなくていいとか、何も技術だけで良いというものすごくドライな考えの人はよほど長けていないと活躍の場も与えられません。Ruby、Windows、Mac、Linux、そういったプロダクトやイノベーションを提供する人はとてもドライになることもありますが、どこかしら人情味や職人気質を感じることがあります。ただ、彼らは非常に優秀なので、我々はとにかく人間味で勝負しましょう、ということです。
いくら優秀でも必ず対人コミュニケーションから逃れられないので、技術よりもまずは人間味というところから、しっかりやっておくことで活躍の場を貰うこともできます。