色々読まなくても良い人向けのまとめ
◆一般向けのサービスホスティングは必ず赤字です。
もう一度言いますね
◆一般向けのサービスホスティングは必ず赤字です。
なぜ人はSNSを作ることをやめられないのかを色々考察して書いておきました。
そもそも法人と一般ではサービスの内容が全然違います。一般のサポートというか、そもそも提供自体がある程度薄利多売であることを知った上で提供しています。法人とは異なり、稼働環境や状態、サービスの提供レベルなどの基準は一般の方が甘いです。したがって余剰機材であったり、そもそも中古やそこまで状態の良くない機材を回すことも考えられます。
ぶっちゃけ、一般向けの提供や無料での提供はいずれなくなる運命だと思ってください。
◆どうあがいても儲からない
一昔前のAmazonやGoogleでアフィリエイトが推されていた時代はまだ広告収入が得られましたが、今ではクリックするだけでなく実際に商品を購入するなどしなければマージンが得られず、そのマージンも微々たるものになってしまいました。
無料や一般向けの提供の中でそういったアフィリエイトを利用したりすることで、運営費を稼ぐということもできましたが、今では当然できません。そのためpaypalやfanboxといった寄付に頼ることになります。ただ、日本人はあまり寄付をしません。財団がなかなか育たないのと同様に、日本人はそこらへんの投資は全くしない傾向にあります。コンビニの募金箱とかはわかりやすい例ですね。万札が入っているところもほとんどありません。つまり寄付も広告収入も儲からず、世界的にも日本にも多大な影響を及ぼしているところでない限りは黒字になるのは厳しいです。
仮に有料のサービスを提供したとしても、一般層が拠出できる資金源は法人よりも断然少ないです。一ヶ月に20万円という収入の中で、わざわざSNSやホスティングにお金を出すというのもなかなか考えにくいものです。自宅サーバ勢がなぜ無くならないかにも繋がってきますが、サービスの提供を余り物でやるぐらいなら自分だけに投資してしまうという人も一定数ありますし、そういった層から資金を得られない限りは結局のところ法人の余り物を引き続き出すしかありません。よって有料のサービスも結局さほど儲かりません。法人向けが自ずと有料になっていたりしますが、どんなに高価でもスケールしつつ事業を大きくしていき、会社の大きさに応じてサービスの利用も増大していくわけですから、提供側としてはスケールしていく方に投資するのは当然ですよね。
したがってホスティングを一般向けに行うというのは基本的に儲からないということになります。お金儲けのためにやるなら、もっとほかのことをやった方がマシです。
◆じゃあなんであなたはわざわざホスティングしているのか?
とどのつまりロマンが半分、会社の事業としてスキルと設備を育てるのが半分です。ITによくあるのが「未経験者に厳しい」というハナシですが、自宅でサーバ運用しています!となればある程度の経験者として名乗り出ることもできます。名乗れなかったとしても、バックオフィスで構築する際に自宅のサーバの経験を使えば良いのです。0より0.1、これを意識しているからこそ自宅でサーバを運用し、オンプレでもクラウドでも対応できるようにしています。
※じゃあAWSとかAzure使わないの?
基礎技術としてのサーバ構築運用を出来るようにしたいので、あくまでAWSやAzureは使わないように意識しています。cloudflareのようにルータを飛ばして通信出来るような設備はそれなりに使っていますが、ベースはあくまでオンプレという前提を置いています。
AWSもAzureもそれぞれEC2とか色々名乗っていますが、ベースは結局LinuxとWindowsです。ベンダーがおなくなりになっても、ベースの技術を学んでおけば良いということです。
ベンダーもベンダーで学習コストがバカにならないので、必要になった時にでも勉強すれば良いとも言えます。(仕事は別)
◆サービスの提供は常にリスクと隣合わせにいる
資金的か?それともメンタルか?それを加味してもまだ有り余るほどのリスクを抱えることでやっとサービスが展開できます。
そもそも人を呼ぶためのパイはすでに飽和しており、SNSの群雄割拠とも言えるこの時代に人を呼ぶには様々な方法がありますが、基本的にどれもリスクが大きいものになっていきます。
・友人を呼ぶ
一番手っ取り早い方法ですね、そして一番人が集まらない方法にもなります。友人の人数はどのぐらいでしょうか。友達100人出来ていたとしてもたかが100人です。先述の通り寄付などには頼れないので、契約してサービスを利用してもらうなどになっていきますが、それでも実績や実力が伴っていなければサービスの提供はできず、赤字になっていきます。
初期投資にすら一切向いていません。諦めましょう。でも友達どうしだから人間関係はさほど悪くなることはないです。いつ遊ぼう?いつ飲もう?自分だけのワンダーランドがそこにあります。たぶん50歳になっても続くんでしょう。
ただし、表に出せないようなα版やβ版の展開には向いているかもしれません。
・SNSで集客
では友人ではなくフォロワーとか、そういったつながりの人に使ってもらうとします。ついでにフォロワー1万人ぐらいを抱えていると仮定します。こちらも寄付などにはあまり頼れないので、おのずと頑張る(根性論)ことになります。ただ、こちらも規模が大きくなればサービスの提供が満足にできません。スペックが足らないのにお金が捻出できない、と。
それにSNSどうしで共食いをすることになるので、評判は必ず落ちます。悪評の中でいかにモデレーションを進め、善意のあるSNSとするにはもっと苦労することには間違いないです。利用者間のトラブルというSNSによくある問題に直面して、どちらかを切り捨てなければいけないという決断を迫られます。人を集めたのに人に苦労します。
結果、あなたはSNSの集客を諦めます。悪評と借金を残しながら。
・ベンチャーキャピタルでお金をガメる
たまたま大学などで良い評判を残して、コンテストでも優秀賞を取ったということで技術や展望の宣伝を兼ねてSNSを開くと仮定します。コンテストでそれなりに実力があるということで、SNSのフォロワーはすでに10万、友人も優秀な人が揃っています。そんなこんなで支援者がでてきたり共同出資者や経営者というものが揃い、ベンチャー企業としてスタートします。
が、SNSすら立てることができずに諦めるか、他人の褌を使って相撲を取るかのごとく大したものも出来ないまま、だらだらと続けていきます。なぜなら自分相応の考えができず、夢ばかりが大きくなっていく…、そんな状況に精神やモチベーションが耐えられないからです。当然、自分がどこに投資をすべきかという判断ができず、お金だけをばらまきながらただ目の前にありもしない夢という大きすぎる目標に向かって歩くこと以外が出来なくなります。
ベンチャーって何だったんだろうか?という疑問だけが残り、夢を見たという跡すら残りません。
・コツコツと頑張る
結局SNSでもベンチャーでも難しそうと思ったので、プロダクトをしっかり作るという目標を定めてSNSを開くことにします。そこまで人間にもお金にも恵まれなかったので、ちょっとした開発機を用意してDockerを立ち上げ、VPSでサクッとスケルトンを作るなどしてやります。もちろん専業なんてものはできないので、会社で働きつつ開発するという非常に長いスパンでの進行となっていきました。プロトタイプは漠然としたもので、SNSというよりコードの集まりでしたが、α版β版と提供していくうちにユーザのフィードバックに応えて利用者を拡大していきます。出資者もある程度でてきており、毎月の支援額も増えて、やっと軌道に乗りました。
他社とは異なり、利用者とちゃんと向き合って作ったシステムなので、バグも少なく機能もしっかり抑えられています。さてここで思ったのが、「自分ひとりじゃん」ということです。最初から一人で作り上げてしまったので、誰もメンテナンスができません。体調が悪くなればそれだけ機能提供が遅れる…。そんな中あなたは「なぜ一人でやったんだ」という後悔をひたすらします。「自分だけがこんなめに」とも言います。でも誰のせいにもできず、しまいにはメンタルが回復することはありませんでした。
100年後、そこにはサーバを移転しつつも勝手に動き、人工知能のごとく自立したシステムだけがありました。誰が作ったのかは分かりません。
最後の方は若干脚色しましたが、結局こういうリスクとどういった場面でも戦うことになります。それと向き合うだけのメンタルを持っているのであればぜひやってください。でも結局どんな形であれ壁にぶつかってしまいます。大小とあれども超えないといけない壁をどう超えるか、自分でサービスを提供するからにはそういう覚悟をしてください。壁を超えるだけでなく、たまには谷もあります。橋を作ってわたるなどしてください。
そしてマネタイズはその壁を超えた先にある、滝を登って崖を登って谷を超えた先にある、難攻不落の要塞だと思ってください。自分から何をせずとも挫折するあなたのことを永遠と待ってくれています。もちろん、攻め入りようものなら大砲が無数にありますし、壁一面にある穴という穴から突き出している小銃、そして火炎放射器があなたを歓迎してくれます。
それも乗り越えて来たあなたに出迎えてくれるのは100円?いいえ、1円がぽつんとそこらへんに1個だけ放ったらかしにされているような具合で置いてあります。
ITで金を稼ぐ、サービスの提供で金を稼ぐのは、それだけつらいことなのです。